various wordのfuhさんに、
ベータカロチンのキャラで小説書いていただきました!
レッドが健気でかわいいです!><
本当にありがとうございます!!


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レッドが集合時間に遅刻した。


それ自体はバアさんの荷物持ってやったりとか、迷子の親をさがしてやったりとかで、
初めてな事ではない。


だが、全身傷だらけで来たのはさすがに初めてだ。



ベータカロチン(仮)



「レッド君、大丈夫なんだな〜!?」
「うん、大丈夫…ちょっと転んだだけ…」
「ベタなごまかし方すんなよ、転んだだけでこんなんになるか?」
足を怪我したのか、右足を引きずって歩いている。服もボロボロだ。
「とにかく、これじゃあ今日のパトロールは無理そうだね…」
「本部で休んだほうがいいよ…レッド…」
「うん…そうするよ、皆ありがとう…」
「たっく…ほらよ」
そう言って、ずっと俯いてるレッドに手を差し伸べる。
「………ちくしょう…」
「…なんかいったか?」
「あっううん!なんでもないよ!」
そう言ってやっと顔をあげて、オレの手を痛いくらいに掴んだ。


…心なしか、手が震えてた。…気がする。


とりあえずレッドを本部に置いて、オレ達はパトロールだ。
「レッド君…心配なんだな〜」
「ああ…」
結局、理由は聞きそびれてしまった。
と言うより、何度聞いても教えてくれなかっただけだが…
「う〜ん……いったいどんな所で転んだら、あんなふうになるんだろう…」
「あの〜…」
「いやだから、嘘に決まってるからあんなの。」
「皆〜……」
「じゃあ、どうしてあんなにボロボロになっちゃったのさ?」
「………」
「わかるか、んなこと!!」
「まあまあ、ピンクく〜ん!落ち着いてなんだな〜」
イエローに怒鳴りかけて、やっと横で泣きそうな顔をして、
ふるえてるブルーに気づいた。


「ほら…あ、あの人達…」 ブルーが案内したところは、薄暗い路地裏だった。
そこに、不良が10人くらいでたむろしていた。
「うわぁ…絵に描いたような不良だな…」
ほとんどの奴がタバコを吸っていて、道が灰皿状態だ。
バイクのエンジンもふかしっぱしだし、壁に落書きしてる奴もいる。


「ベータカロチンだかなんだかしらねーけど、わけわかんねーよなぁ。あいつら」
「そーそー。青ナスとかさぁなんか、ひょろいし」
「グリーンなんかゴミ拾いしてるだけじゃん。だっせぇ」
オレらの悪口まで……
いや……そんなことより……
「…グリーン……」
おそるおそるふりかえると、


やっぱりグリーンの目つきがどんどん鋭くなってきている。
「あいつら……あんなに汚しやがって……」
なんかもう、どす黒いオーラが目に見えるほどあふれかえっている。
「ガソリン税悪用してたのもあいつらか…」
「お、落ち着くんだな〜グリーン君! それに多分、いや絶対、
 ガソリン税悪用に彼ら関係ないから!」


不良達はオレ達に気づいてないらしく、話を続けている。
「それと、イエローとかキモイよな」
「なんでオタクがヒーローやってんだよって話だよな」
「……なんだって〜! なんだな!」
「いやお前も落ち着け! それと無理に語尾つけなくていいから!」
「『マジカル! バナナちゃん萌え〜!』とか、マジうぜぇ」
「バナナちゃんを侮辱するななんだな!
 かくなるうえはこのマジックチョコステッキで…」
と言いながら、どこからか女子が遊ぶようなおもちゃのステッキを取り出した。
これには流石に、わきでオロオロしながら見ていたブルーもつっこむ。
「やめてイエロー… 恥ずかしい…!」
「そうそう、それと侮辱されたのキャラクターじゃなくてお前…」
「あと誰かいたよな…だれだっけ?」
「ピンクだっけ?あの影うっすいしょうが」


……影うっすい?
「……ブルー、今影うっすいて聞こえたけど、言ったのあいつか?」
「し、しっかりピンク! そんなこと全然ないから!」

「でもやっぱり一番うざいのはレッドだよな〜」
「あいつら、レッドのことまで…」
「仲間をバカにするな! とか何とか言って飛びかかってきてさ」
「…!」
「まあボコボコにしてやったけどな。かっこわるいったらありゃしねぇ」
「リーダーのくせしてチビで雑魚なんてな」
「…」
「それにあいつ、そんな活躍したとも聞いてないしな」
「仲間とやらに同情するぜぇ、ヒャハハ!」


……今度は誰も止めなかった。


「…悪いことしたな…」
本部で休んでたら大分痛みもひいてきた。
「遅刻はともかく、皆の足引っ張るなんて…」
それに…あんな奴らに…


ふと遠くからエレベーターが着く音がした。
皆が帰ってきたらしい。
「お帰り! 皆今日はごめ……」


皆も傷だらけで帰ってきた。
いや正確にはグリーンだけはかすり傷一つついてない。
血が服に付いているが、多分誰かの返り血だろう。
「ちょっ、大丈夫!?」
「いや、ブルーが一番大丈夫じゃない…」
…白目をむいて完全に気絶している。
服がドロだらけなのは、ピンクにひきずられてきたかららしい。
「と、とにかく手当て手当て…!」
「……レッド君、…なんであいつらのこと黙ってたんだな?」
「…!」
「本当は暴力とかダメなんだろうけど…つい…」
「……皆それで…」
「…レッド、お前なぁ…」


…みんな、僕のせいだ……
「……ごめん! 僕のせいでこんな…」
「…なんでレッド君のせいなんだな…?」
「なんでって……だって…リーダーの僕が……」
「…オレ達じゃあてにならないってか?」
「……違う! そうじゃなくて、そうじゃなくて……」


…気づいたら目から涙がでていた。
「レッド……大丈夫?」
違う……同情してもらいたいとか、そんなんじゃなくて……
「…僕が…もっと……」


あのとき…僕が勝って…そんなことないって言えていれば…
そもそも僕が…リーダーとしてもっときちんとしていれば…
…それとも……僕がリーダーじゃなかったほうが……


「……レッド、たとえ他のヤローがなんと言おうと、
 オレは、お前の仲間だ。」
「…ピンク…」
「やめてくれって言われてもやめないんだな〜」
「そうだよ…。それに僕らのリーダーは、レッドしかいないからね。」
「……」
「あ、そうそうレッド。あの人達もう悪口言わないだってさ。」
「ほとんどグリーンがボコボコにしたからな…
 だからもう気にしなくていーぞ」
「うん……皆ごめん…じゃなくて…」
「…なんだ?」
……謝るんじゃなくて…


「…ありが…とう。」


「…どーいたしまして! なんだな!」
「…こっちこそ礼言わなきゃな…。ありがとな、レッド。守ろうとしてくれて。」
「……うぅん…」
「ううぅ…」
ソファに倒れていたブルーが目を覚ました。
「! 大丈夫…!?」
「…レッ…ド………あり………がふっ」


「……ブルー?……ブルーーーー!!」
「落ち着けレッド、また気絶しただけだ。」
「…本当?」
……よかった…


…ほっとしたら、今度は別の涙があふれてきた。
今度は、悔し涙でも悲しい涙でもないらしい。


「…今日はよく泣くなぁ、お前」
「…うん…」
「まあ、今日はもう皆ゆっくり休むんだな〜」
「そーだな、暴れまわったら疲れちまった…。ブルーはオレが家まで送るから。」
「じゃあレッド、ありがとね、お疲れ様!」
…慌てて手で涙をぬぐった。


「…お疲れ様! 」